映画の世界でバンド活動が盛り上がっている。
公開中の映画「BANDAGE バンデイジ」の劇中に登場するバンド
「LANDS(ランズ)」がリリースしたアルバムは、
オリコンの週間ランキングで1位になるなど大ヒットを記録。
ほかにも今年はバンド映画の公開が相次ぐ。バンド映画の魅力を探ってみた。
「皆さん、盛り上がっていますかー! 今日は楽しんでいってください」
1月19日、東京・渋谷のライブハウス「SHIBUYA-AX」。
ステージに姿を現したLANDSのボーカル役、
赤西仁が来場者に呼びかけると、
女子高校生や女性会社員らの黄色い歓声が会場を包んだ。
この日のライブは、映画に登場するバンド、
LANDSがスクリーンを飛び出し、生の演奏を行うというもの。
ライブ応募シール付きの映画の前売り券と、
応募はがき付きのLANDSのシングルを購入した中から、
抽選に当選した2800人が会場を埋めた。
映画の前売り券は初日に約7万枚を売り上げたほどの人気で、
応募は7万通に達したという。
ステージに感激して涙ぐんでいた東京都大田区のパート女性(27)は
「すべての観客が、すでに映画を見ていると思う。
一体感を覚えています」と目頭を押さえる。
台湾でも、日本人ミュージシャンがからんだバンド映画が話題を呼んだ。
日本でも昨年末から公開されている「海角七号/君想う、国境の南」
(ウェイ・ダーション監督)には、歌手の中(あたり)孝介が本人役で登場。
台湾で活躍するミュージシャンのファン・イーチェンらと共演している。
音楽評論家の関谷元子さんは「俳優と歌手はスターの素質が必要という共通点がある。
アジアでもミュージックビデオが浸透しており、
大半の歌手が映像の重要性を認識しています」と解説する。
今年は、ほかにもバンド映画の公開が控えている。4月3日に公開予定の
「ソラニン」は、ミュージックビデオ界で活躍する三木孝浩監督作品で、
主演の宮崎あおいがバンドを組んで劇中で歌う。
春には、バンドのボーカル兼ギター担当の男性が主人公の映画「音楽人」
(伊藤秀隆監督)が公開されるほか、個性あふれるメンバーによって
結成されたバンドの音楽活動を描いた映画「BECK」(堤幸彦監督)
も9月に公開される予定だ。こちらは、水嶋ヒロや佐藤健、
向井理ら豪華俳優陣が出演する。
バンド映画大はやりの背景について、「BANDAGE バンデイジ」で
監督を務めた音楽プロデューサーの小林武史は「音楽と映画が結びつくと、
時代を象徴するものになり得ると思った」と語る。
「映画という場でのメンバーとの出会いは刺激にもなったし、
お互いに面白がることができた」と話す小林は、平成8年の映画
「スワロウテイル」(岩井俊二監督)で音楽を担当し、
劇中バンド「YEN TOWN BAND」をヒットさせた実績を持つ。
今回は満を持して自ら監督を手がけたが、
誰でも映画が作れるとは思わないと指摘する。
「映画は突出したストーリー、読解力、構成力がなければ撮れない。
僕はコンサートのプロデュースをするので、
編集のあり方は似ていると感じました」と話していた。 |